フランス学生ビザの取得 (学振持ちがグランゼコールの客員博士学生として1年間の留学)
先日パリの移民局(OFII)にてようやく学生ビザを有効化してもらったので,ビザ取得までのプロセスを簡単にまとめたいと思います.
留学手続きの流れは,それぞれの留学事情にそって人それぞれだと思います.
僕の場合は
- 学振持ち(DC2)
- パリのグランゼコール:Télécom ParisTech に客員博士として2014/10から1年間の受け入れが正式に決まっていた
- というかParisTechの学生書をビザ申請時点で既に取得していた
- パリでの住所・銀行口座・電話番号をビザ申請時点で既に持っていた
という状況だったので,ビザ手続きは終始スムーズに進みました.
手続きの流れ
Web上にはフランス留学のための学生ビザ取得に関するブログや記事がいくつかありますが,また比較的僕に似た状況での留学情報を記した「博士課程院生のフランス留学」さんの記事が参考になりました.
フランスに学生として3ヶ月以上滞在するためには,学生ビザの取得が必要です.さらに,学生ビザ取得のためには,日本にいる間に「Campus Franceへの登録及び面接」「フランス大使館へのビザ申請」を済ませ,フランスに渡った後も「フランスの移民局にて学生ビザの有効化」というステップが必要となります.
学生ビザ取得に関する一般的な情報はCampus Franceや在日フランス大使館,あるいは上のブログ記事にある程度纏められています特にCampus Franceが用意してくれている学生ビザ取得までの手続きの流れをまとめたPDFがナイスです.
とはいえ,僕が学生ビザの取得に至るまでの経緯は,上の図の流れからは大きくそれていました.
- 6月にParisTechのJacques Sakarovitch先生へ留学の件をメールで打診
- いくつかのやりとりを経て7月終盤,10月からの留学受け入れOKメールを貰う(この辺の話はこのブログの最初の記事にも書かれています)
- 8〜9月,留学手続きに関して,Sakarovitch先生にCVを送る意外特に何もしない(Campus Franceへの登録すらしませんでした)
- 10月,ビザも取得せず家も決まっていない状況でにフランスに行く
- フランスに渡ってからようやく学生ビザ申請の手続きを進める(Campus Franceの登録もパリで行った).
- 11月,在日フランス大使館にビザを申請するために日本に一時帰国
- 12月,在日フランス大使館での手続きを終えてパリに戻る.
- 今年1月末,パリの移民局(OFII)にて学生ビザの有効化を済ませる <- new!
という状況です.「8〜9月何してたんだ??」と言われるかもしれませんが,この時期は学会出張や論文執筆で忙しかったので,Sakarovitch先生からOKメールを受け取った時点で「ビザ手続きについてはとりあずパリに行った後考えよう」という意識でした.
学振持ち
日本学術振興会が行っている「日本のトップクラスの若手研究者に対する支援制度」として特別研究員というものがあります.(少なくとも僕の周りでは)この特別研究員に採用されている学生さんのことを「学振持ち」と言ったりします.特別研究員制度にはPD・DC1・DC2等の種類がありますが,僕の場合はDC2に採用されています.
具体的には,この制度に採用されるとゲンナマが貰えるということです.嬉しいですね!(DC2の僕の場合は月々の20万円のお給料と年間100万円を上限とした研究費を頂いています)
「学振持ち」という状況は,フランス留学のための学生ビザ取得のハードルをとても大きく下げます.学生ビザの取得のために必要とされている
- Campus Franceでの面接及び手続料金の免除
- 留学生活に必要な経済証明(在日フランス大使館は最低限の生活費用として毎月最低615€の経済証明をビザ申請時に要請します)
という2つの大きな問題を解決してくれるからです.*月20万円のお給料はだいたい1400~1500€なので,物価の高〜いパリでも普通に暮らして行けます.
持ってて良かった学振
「CEFの取り決めにより, 次のいずれかの奨学金受給者は、Campus France-CEF の面接および手続き料金の支払い全額が免除されます → 学振」 http://t.co/bBJOhQVN57 面接免除きたーーーーー!!!持っててよかった学振.
— Ryoma Sin'ya @巴里留学中 (@sinya8282) 2014, 10月 5
学生証・住まい・口座や電話などのパリでの生活に必要なモノがビザ申請時点で既に揃っていた
普通は上記「手続きの流れ」の図の用に,留学が決まった時点で日本にいる間にフランス大使館に申請を行います.しかし,僕の場合は先にパリに行って生活に必要なモノ一式を揃えた上で申請していたので,各種書類の提出が非常にスムーズになりました.これだけモノが揃った状況で申請が却下されたり滞ったりするわけないだろ!(という気持ちでスムーズに申請が通るよう祈っていました).
ちなみに西麻布にある在日フランス大使館はなかなかシャレオツな外見でした.
パリの移民局にて学生ビザの有効化
日本でやるべきことを終え,パリに戻ってもまだ学生ビザの手続きは終わっていません.在日フランス大使館で貰った書類をフランスでの住所を管轄している移民局に送り,移民局からの招待を待ち,必要書類の提出や健康診断を行って学生ビザの有効化を行います.
この手続きに関しては在日フランス大使館のページやビザ申請時に受け取る書類に詳しく書いてあります.また,多くのブログ記事で手続きの様子がまとめられています.
僕の場合はパリ在住なので,パリはバスティーユ近くにある移民局にて手続きを行ってきました.フランス語が全く話せない僕ですが,手続きはスムーズに進み,健康診断も含め1時間30分程度で終わりました.移民局スタッフの手際は非常に良かったです.健康診断のための医療スタッフや受付案内係り含め,総勢20人ぐらいいたと思います.受付案内係のほとんどは英語が話せない雰囲気でした(でも書類見せればOK).
感想
結局,10月にビザ無しでフランス入りしてから4ヶ月後の翌年1月末に学生ビザを取得することになりました.日本に一時帰国していた1ヶ月間を除くと,フランス滞在およそ八十数日目でのビザ取得です.90日間のビザなし滞在可能期間ギリギリでした.
結果的には「ビザ手続きについてはとりあずパリに行った後考えよう」という8月時点での僕の考え悪い選択ではなかったように思えます.行き当たりばったりでもなんとかなるものです.行動したもの勝ちです.